音声言語医学, 45: 187-191, 2004

−原  著−

片側性唇顎口蓋裂に発現した異常構音
―Hotz型口蓋床装着との関連の検討―

中嶋 敏子1) 三川 信之2) 柳田 憲一3) 中村 典史4)

要 約:本研究では,口蓋形成術後良好な鼻咽腔閉鎖機能を獲得した片側性唇顎口蓋裂症例52例(装着群23例,非装着群29例)を対象として,口蓋形成術前のHotz型口蓋床装着による異常構音発現の差を検討した.その結果,装着の有無による異常構音発現率の有意差はなかった.鼻咽腔構音の発現と複数種類の異常構音の発現が,非装着群に比べて装着群に有意に多く見られた.また,口蓋化構音の発現は装着の有無による差はなく,口蓋瘻孔の残存しない群に比べて残存する群に統計上有意に高い率で見られた.本研究の調査対象については,口蓋形成術前のHotz型口蓋床装着は,異常構音の発現を抑制しなかった.

索引用語:片側性唇顎口蓋裂,Hotz型口蓋床,鼻咽腔構音,口蓋化構音


1)帝京平成大学健康メディカル学部言語聴覚学科:〒290-0193 千葉県市原市潤井戸字大谷2289-23
2)聖マリア病院形成外科,3)同 小児歯科:〒830-8543 福岡県久留米市津福本町422
4)九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座:〒812-8582 福岡県福岡市東区馬出3-1-1

原稿受稿:2003年11月19日 原稿受理:2003年2月20日

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