音声言語医学, 44:258-263, 2003

−原  著−

聞き取りにおける文中の単語知覚に促進的効果をもつ
後続文脈に関する研究

岡本 真純1) 志水 康雄2)

要 約:文脈の促進的効果を聴覚障害児の文理解の向上に利用することを目的とし,聞き取りやすい文とはどのような文であるか,より詳細に文脈効果の特徴をまず健聴者を対象として調査した.特にターゲットとなる文中の単語のモーラ数,ターゲット単語に後続する文の文節数,ターゲット単語と後続文との間の時間的距離に着目した.その結果,ターゲット単語のモーラ数の違いによる文の聞き取りやすさの差は見られなかったが,後続文の文節数が多い場合に,少ない文よりも知覚が促進される傾向,また,ターゲット単語と後続文との間の時間的距離が広がるにつれ,ターゲット単語の知覚が阻害される傾向が見られた.今後これらの傾向を踏まえ,より聞き取りやすい聴覚障害児への話し掛け方,文脈利用能力の向上等を考察する.

索引用語:文脈,促進的効果,聴覚障害,文理解


1)広島大学大学院教育学研究科学習開発専攻博士課程後期障害児学習開発分野,2)同 障害児教育学講座:〒739-8524 東広島市鏡山1丁目1-1

原稿受理:2003年4月23日

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